生きる力 〜 注49

公開: 2020年5月9日

更新: 2020年5月9日

注49. アインシュタイン博士と相対性理論

アインシュタイン以前の物理学者達は、皆、長さが一様に広がった3次元の空間を考えていました。その空間の中での物理現象を説明する理論を組み立てていました。これは、ユークリッドの平面で図形を考えるのに似ています。光は、この空間の中を真っすぐに進むと考えていました。

アインシュタイン博士は、そのような「ゆがみ」のない、長さが一様な空間ではなく、「ゆがみ」のある3次元空間を考え、その空間に起こる現象を説明すべきであると考えました。アインシュタイン博士は、その「ゆがみ」の原因が重力であると考えました。重力によって光も曲がって進む空間です。

質量の大きな星が自分の重力で収縮を始め、太陽のように大きな星が直径数センチの球のようになり、密度をどんどん高めてゆくと、その中心では強大な引力が生まれ、その引力で光も引き込むようになります。ブラックホールと呼ばれる、外部からは見えない星です。このブラックホールの周りでは、飲み込まれなかった光でも、その引力に引かれ、曲がって進みます。そのような現象も実際に観測されています。

アインシュタイン博士は、この新理論を打ち立てた功績(こうせき)を認められ、ノーベル賞を受賞し、アメリカ合衆国へ移民して、プリンストン大学の研究所で研究を続けました。ユダヤ人であったアインシュタイン博士は、ヒットラーのナチス・ドイツが原子爆弾の開発に着手したのではないかと考え、当時のアメリカ大統領、ルーズベルトにアメリカ合衆国も原子爆弾開発に着手するように進言しました。

参考になる読み物